〈独自〉自治会前委員長、選挙で不正か 立命館大学文学部 推薦人名簿水増し
昨年5月投票の自治会役員選で文学部自治会委員長に選出された男子学生が、同意を得ていない学生を推薦人とした名簿を学部選挙管理委員会に提出して立候補したとみられることが、複数の関係者への取材で分かった。男子学生は昨年12月、職務不履行を理由に文学部自治会執行委員会で委員長を罷免されている。
男子学生は立候補時、自治会の執行委員だった。関係者によると、自治会が他の業務に使用していた書類を不正に推薦人名簿に流用した可能性がある。
自治会役員選の推薦人名簿文学部自治会 文学部の全学部生が所属する自治組織。学部生の意見集約や、五者懇談会による学部生の要求実現を役割とする。自治委員は各クラス・学年の代表として、委員長は学部生の代表として参画する。
文学部自治会で委員長に立候補するには、文学部生50人分の推薦署名を集める必要がある。男子学生は、昨年5月7日までの立候補受付期間中に、50人分の氏名と学籍番号が記載された名簿を提出し、投票の結果信任された。
関係者によると、信任後の6月に不審に思った学生から学部選管に通報があった。改めて確認したところ、同意していない学部選管委員の氏名が記載されていたことで疑惑が浮上した。
発覚を受け、中央選管委員長が事案を認知したほか、中央常任委員会にも報告された。関係者によると、推薦人名簿に氏名があったオリター団の学生らに聞き取ったところ、「同意した覚えはない」などと否定したという。
中央選管委は、提出の様式に表計算ソフト「エクセル」を指定していた。推薦人の氏名と学生証番号を立候補者自身に入力させる仕組みで、同意書や本人署名が不要とされたため、容易に水増しできる状態だった。
選挙規程は「推薦署名を集めた推薦書を要する」と定めている。規程に定められた禁止行為のうち、偽計による妨害や文書図画の偽造に該当する可能性がある。
禁止行為の疑いがあるとき、中央選管委の委員長や副委員長、学部選管委は、規程により中央選管委への報告と当事者への聞き取り調査を行う義務を負う。
禁止行為が認められた場合、中央選管委の会議体で、戒告や当該年度の選挙権・被選挙権の停止などの処分が決まる。
男子学生の疑惑を認知した中央選管委員長は、禁止行為に該当すると判断しなかった。疑惑は副委員長に共有されず、中央選管委の会議体でも扱われなかったため処分されなかった。
本紙の取材に応じた中央選管委員長は、本人に電話やメールなどで複数回連絡したものの聞き取り調査ができず「十分な情報が得られなかった」ため禁止行為に該当するとの判断に至らなかったと説明した。
また委員会への報告義務について「委員長への報告とも解釈できる」とした上で、「不確定情報が不特定多数の学生に広まる可能性があった。状況証拠のみで断定することで学生の人権侵害や名誉毀損につながることを危惧した」ため委員会全体に報告しなかったと釈明している。
本紙は男子学生にメールを通じて取材を申し込んだが、6日夜までに回答はなかった。
(小林)
https://ritsumeikanunivpress.com/03/07/21080/