立命館大学新聞社
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第1回全学協代表者会議(1月29日)の要旨

1月29日に開かれた第1回全学協議会(全学協)代表者会議の出席者による発言の要旨は次の通り。

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https://ritsumeikanunivpress.com/03/20/17267/

■開会あいさつ

【学校法人立命館・仲谷善雄総長】

2023年度に未来の学生を視野に入れた学園共創活動への転換を表明され、各学部五者懇談会をはじめとする多層的な議論の場において、議論を活性化させ、「次世代研究大学」の実現に共に歩もうとされている点は大変うれしく、敬意を表したい。

【立命館・森島朋三理事長】

立命館は総長を先頭に改革を進め、ベース(基礎)を作っている。研究したり発展したりするのは皆さんだ。この(皆さんの)ために学園はある。

■議題1「R2030チャレンジ・デザイン実現に向けた到達点と課題について

【学友会・横尾陽太中央常任委員長】

昨今の(大学と学友会が共により良い学園づくりを目指す)議論のあり方を踏まえ、学友会は「要求実現運動」から「学園共創活動」へと名前を変えることを表明した。

その結果、23年度に実施された、各学部自治会による五者懇談会や、数多く実施された各部との懇談会では、共創的な議論を進めることができたと評価している。

情報公開という観点で学年暦の変更においては、学友会と大学が同時に情報公開を行い、学生に対して一連の決定に学友会が参画していることを示すことができた。

学生の生活に係る重要な事項の情報が、学友会との議論の場なくして、大学から公開されることもあった。重要な事項については、学友会との確認、合意形成の上、公開することを要望したい。

学友会として、R2030チャレンジ・デザインに向けて活動を十分に展開することができたと評価することは難しいと考えている。同じ目標を学生と大学で共有する場が必要であると考えられるため、R2030チャレンジ・デザインについて学生に発信する場を設けることを要望する。

学友会が行う種々の懇談会などは、R2030チャレンジ・デザインの実現のためだけではなく、学生の持っている目の前の課題を解決するために行っている。目前の課題が解決されないことには、より大きな目標に向けて活動することは難しいと学友会は考えている。

【大学院生協議会連合会・開原弓喜会長】

本年度からキャンパスごとの運営会議が組織され、院生が直面する課題を現場レベルで具体的に議論する体制が構築された。これにより、各キャンパスの院生が抱える課題や問題をより具体的に把握し、対応策を検討することが可能になった。

(総務会組織の)体系化と透明性の向上に向けた取り組みが、研究環境の整備に少しずつ成果をもたらしたのではないかと考えている。

施設整備や経済的支援、修了後のキャリア形成といった課題も依然として残されている。具体的には、研究室の座席不足や施設の24時間利用が課題として挙げられている。経済的支援に関しては、選抜型支援制度の充実だけでなく、全ての院生が対象となる基盤型支援の拡充が求められている。

院協は今後も院生の声を反映させた取り組みを進め、研究課題や学習環境のさらなる向上を目指していく必要性があると考える。大学と共同し、これらの課題解決に向けた具体的な政策を共に話し合いたい。

【立命館・伊坂忠夫副総長】

R2030チャレンジ・デザインの策定以降、「社会共生価値の創出に向けて新たな価値を創造する次世代研究大学」「イノベーション創発性人材を生み出す大学」の大きく二つの柱を掲げて、色々な取り組みを展開をしてきた。

学友会については、(キャンパスの施設課題を中心とした)キャンパス懇談会を本年度は3キャンパスで開催していただいた。全学的に活動が展開されていることの意味は非常に大きいと評価している。皆さんの取り組みが日常的な課題、課外自主活動の環境改善につながっている。

未来の学生に向けた活動と同様に、現在の学生が抱えている課題と向き合いながら、学びと成長の環境整備をこれからも進めていき、多くの学生がそのことによる変化を実感できるような活動が重要であると、大学としても認識している。

院協については、組織としての体制をしっかりと整えておられたことは大きな一歩だったと受け止めている。各研究科、院協から個別具体的な要望を集約する仕組みが確立され、院生同士で研究活動の高度化についての議論が活発化していくことは、今後の次世代研究大学の実現に向けた大きな取り組みであり、大きな意義があると考えている。

【立命館・松原洋子副総長】

24年度、学友会と教学部は計3回の懇談を行った。院協とは12月にミーティングを設け、教学部側からは教学課題の話題提供を行い、院協側からは各研究科の個別課題の情報共有を行った。

これらはいずれも双方にとって有意義なものであり、特に(学友会との)第2回懇談会のワークショップの際には、学友会主体のグループの中に、教学部、学生部の教職員が入る形で、意欲のわく授業づくりに関する議論を行い、学園共創活動と呼ぶにふさわしい機会になったと考えている。

院協と学園の連携は次世代研究大学の実現において中核をなすものだ。次世代研究大学の実現に向けて、院生の研究環境や学習環境の高度化は不可欠だと考えている。

懇談は、未来を創造するために誰もが挑戦できるフィールドや環境を、大学として提供していく施策の一環であることで、その過程において、イノベーション創発性人材の育成に取り組み、新たな社会共生価値と創発性人材を生み出す大学となり、R2030チャレンジ・デザインの次世代研究大学を実現することにつながるものと理解している。

【立命館・徳田昭雄副総長】

これまでの院生支援に関わる大学の取り組みについて、(院協から)おおむね一定の肯定的評価をいただいているということについて確認するとともに、これまでの取り組みについて、改めて確信を得ることができた。

課題として挙げていただいた所見について、さらなる議論や検討が必要であると認識している。

■議題1での意見交換

【教職員組合・松田特別執行委員】

いかに円滑に新しい取り組みを受け止めて、学生さんの学びになるように、院生の研究が促進できるように今何が大事かというと、少し余裕がいるのではないかと思う。

新しいシステムに適応するコストはかなり大変だ。丁寧にサポートしていただきつつ、学生と一緒にその履行をうまくすることを考える必要がある。そのために余裕ある人員がいる。どこまで丁寧に学生の育ち・学びに寄り添っていくかが大事だと思う。

【学友会・横尾中央常任委員長】

これからも学友会と共に情報を発信し、発信の前に学友会との確認の場を設けていただきたいと考えているが、どのようにお考えか。

【立命館・松原副総長】

大学が大きな大学政策の下で展開していこうとすることと、それが学生・院生にどのようなインパクトを与えると感じられているかが、必ずしも一致しないことがあると思う。懇談の機会で、我々が気づかないようなところをお伝えいただくとともに、重要なものについては、学年暦と同様に一緒に取り組んでいきたい。

【院協・開原会長】

院協の役割が根本的にまだ認識されていないと感じる場面があった。来年度以降、組織体制をしっかりしつつ、院協の存在自体を大きくしていきたいので、認識していただければ。

【立命館・徳田副総長】

課題を共有させていただき、その課題に向けて皆さんが共有されるコミュニケーションプラットフォームの中でさまざまな議論を誘発し、このR2030の後半期に向けて共に議論していく枠組みを共に作っていきたいと思っている。

【立命館・松原副総長】

各研究科の院生の実態をいろいろデータに基づいて分析することを始めているので、しっかりコミュニケーションをとって、院協以外の院生の人たちのニーズを、どのようにフィードバックしていくのかについて、一緒に知恵を絞りたい。

■議題2「R2030後半期計画に向けた議論の進め方について(論点提示)

【立命館・伊坂副総長】

学生一人一人が、さまざまな成長機会に参画してもらい、他者や社会との関わりの中で各自のパーソナルベストを更新してもらいながら、挑戦し続ける人材となってもらい、自らの目指す進路やキャリアを実現してもらいたい。学生の成長実現実感ナンバーワンの大学になりたいということを目指している。

(学生の学びと成長の実感について)自己省察の機会、あるいは自己理解の機会を他者からのフィードバックを通して得られて、他者理解と他者との中での自己の相対化の理解ができるようになった時に、成長を感じたと(懇談会で)指摘された。

「イノベーション・創発性人材」の育成に向けて、自分自身が学びの可視化、自己省察の深化を促しながら、学習者自らが主体的に創造することを目指す「コンピテンシー・フレームワーク」=①=を、25年度から試行的に運用できるよう進めている。

①コンピテンシー・フレームワーク 人的支援とシステム的な支援を適切に組み合わせることで、学びの可視化、自己省察の深化を促し、学習者が自らの成長を主体的に創造することを目指すもの。立命館は「学びによって伸張する資質・能力」をコンピテンシーとして定義。「命を立てる」をコア・コンピテンシーに、Resilience(しなやかさ)やInitiative(自発性)、Teamwork(チームワーク)など8つのコンピテンシーを設定した。

連続性のある学びの機会をどう整えていくかをしっかりと考えながら、R2030後半期に向けて、学生一人一人の学びの軌跡を把握できるようにした上で、次のチャレンジにつながる活動機会の情報をレコメンド形式で何とか提供できないのか、DX(デジタルトランスフォーメーション)の上手い活用の仕方の中で、学生の成長の機会の提供ができないか、その中で学生、院生の皆さんの自律的な学びが生まれるようなことを進めていきたい。

学生の皆さんの様々な活動を支援するのは当然重要な我々の使命だ。成長する機会やチャレンジする機会を作っていくための新たな学生支援の在り方をさらに深めていきたい。

未来の大学づくりに向けて、大学が学生、院生の皆さんとの対話と議論を積み重ねることを通じて、社会共生価値を創出する大学を目指していきたいと考えている。

【立命館・松原副総長】

学年歴について、現行の15週授業から14週授業に転換する。土曜日の授業を解消するとともに、学事日程に「ゆとり」を持たせることで、学生の多様な学びを一層促進する狙いがある。

学生の多様な学習機会を創出し、学生の成長を促進する契機として、各学部・研究科教学の特性に応じた、新たな教学展開とともに、学生・院生のさまざまな主体的な活動を後押しするなど、教育のより一層の充実につながることを期待している。

加えて、教員の研究機関の確保や社会貢献活動などへの移行と創出にもつながり、これらが学生の教学に還元されてくるだろうと考えている。

グローバル教養学部を除く全ての学部で、R2030における英語教育改革の改革方針が検討された。検討結果は、ピアーと名付けた新たな英語教育カリキュラムへ再編するという学部が3学部、また既存の英語教育プログラムの改革が12 学部だ。

文学部、理工学部、食マネジメント学部、総合心理学部では、2026年度に向けて英語教育カリキュラムの改革を進める予定だ。意欲の湧く授業を英語教育科目においても浸透させてくことを目指して、継続した議論を学友会と重ねていきたい。

【立命館・徳田副総長】

今後も学外の公募事業獲得に向けた努力を継続し、本学博士課程学生の経済支援の充実を目指していきたい。在籍する大学院生は質、両共に大きな転換点を迎えており、経済的支援の在り方についても、限りある予算を最大限有効活用していくため、質、量両面での検討が重要だと考えている。

次世代研究大学の実現に向けて、院生の研究環境や学習環境の高度化は不可欠なものであり、院協と学園側の連携は中核をなすものであるという考えに同意する。院生協議会との継続的な議論交換には、積極的に参画していきたい。

【立命館・山下範久常務理事】

本年度より大阪いばらきキャンパス(OIC)H棟の竣工、情報理工学部・研究科と映像学部・研究科の移転に伴い、社会共創の取り組みを本格化させてきた。

大学の組織として、社会競争のプラットフォームを整備し、社会や学生の皆さんに対して可視化し、連携先を積極的に開拓することによって、社会共創の可能性は大きく広がったと考えている。

マイクロソフトやアドビの教材ワークショップなどを活用したスキルの習得▽各種のプログラムによる社会課題の理解▽問題解決プロセス、グループワークなどの経験の習得▽企業や自治体との共創によるビジネスや地域課題の深い理解▽学生自身が構想する企業アイデアのブラッシュアップや実装化――など、可能性は無限大と言っていい。

大事なことは、こうした仕組みへの学生や院生の皆さんの主体的な参画だ。何ができるか自体を、学生、院生の皆さんに考えていただくという文化を確立する環境を我々としてはご用意したい。

社会共創はOICにとどまらず、全キャンパスに広がりを持つと考えている。衣笠キャンパスでは、デザイン・アート学部の開設を機に、全学生が利用できる「Fab lab(ファブラボ)」=②=を27年度に設置する予定だ。BKCでも、Fab lab機能を備えたスタートアップを推進する「グラスルーツ・イノベーションセンター」が25年度に開設する。

社会共創の仕組みを今後、衣笠キャンパスやBKCにも展開していきたい。

②Fab lab レーザーカッターや3Dプリンターなどのデジタルファブリケーション機器を活用したものづくりを支援する場。2024年4月にはOICのH棟にファブラボ「KOBO」がオープンした。

【学友会・横尾中央常任委員長】

学園共創活動という言葉にはいまだ確実な定義がなく、この言葉が指すところには議論の余地がある。単に大学からの提案に対して意見を述べたり、追認したりするというような、議論に注目するだけの活動ではなく、学生の課題を解決するということに、焦点を当てた活動をさらに増やしていきたい。

課題解決こそが学生に対しての還元であり、学友会の存在意義・活動意義であると考えている。

2025年度以降の学友会と大学の議論においては、①2024年度のみならず、R2030前半期における課題を代表者会議において確認し、2025年度以降に改善へと進めていくこと②学園共創活動という言葉の持つ意味を捉え直し、共通の理解を持った上で、その意味に基づいた議論、懇談を行うこと③引き続き、多層的な議論の場を設定するとともに、その機会の確保及び議論内容の充実のために、学友会と大学の双方が積極的に注力すること――の3点を提起する。

25年度以降も引き続き、学生と大学が学園を共創するという方向性の下、学友会は今後も学園づくりにおける各種の政策に責任を持って携わること、携わるために活動を行っていくことをここに表明する。

【院協・開原会長】

(研究室の座席の)基準の見直しや個別の研究ニーズに応じたスペース拡充が必要ではないかと考えている。また施設利用の24時間化や遠隔地での図書資料利用の促進も不可欠だ。

具体的には、キャンパスアジア・プログラムや国際共同利用共同研究拠点といった既存の取組みを活用しつつ、研究室や共用スペースの利用環境を改善する必要性がある。

経済的支援の充実も重要なテーマだ。特に選抜型支援だけではなく、全ての院生が対象となる基盤型支援の拡充が求められる。物価上昇やインフレーションの影響を考慮した支援体制の整備がさらに必要ではないかと私たちは考える。

アカデミックポストの獲得を目指す院生には、教育プログラムの充実が必要だ。また企業就職を希望する院生に対しては、専門性に加えて実践的な能力や共働スキルが評価される支援プログラムを提供することで、多様なキャリアパスを支援する体制の構築が求められている。

院協としては現場の声を集約し、院生が直面する具体的な課題を共有する役割を引き続き担っていきたい。今後も(大学と院協の)共働体制を進化させ、院生一人一人の研究環境を豊かにし、学園全体の研究力向上を目指していきたい。

■議題2での意見交換

【教職員組合・松田特別執行委員】

本学の特徴として、非常に多様な学びの経験をされた学生が入って来られるところがある。新しい取り組みをやっていくと同時に、全体としてユニバーサルがボトムアップするにはどうしていくのか、ということを考えていく必要がある。

■まとめ・閉会

【立命館・仲谷総長】

(議題が)多方面であったがために、意見交換で終わって議論まで進んでない。問題意識は少なくとも共有できたと思っている。

次世代研究大学が浸透していないという問題意識がある。次世代研究大学は社会に対しての言い方で、学内向けには「ワクワクする大学・大学院をどう作っていくか」という話だと思う。そのためには学生、院生、教職員の皆さんとの共創活動が必須だ。しっかりこのことも協議していきたい。

学友会から「目前の課題が解決されないことには、より大きな目標に向けて活動することは難しい」とあった。相反するものではないという気がしている。次世代研究大学に関連する取り組みや課題が、学生の日常生活にどう表れているのかという見方をしてもらえると、捉え方が変わっていくと思う。

研究力のベースとしての探究力は、学部生の間に伸ばさなければいけない。探究力は何かというと、自らが選んだ課題・目標の実現に、主体的に取り組むような姿勢を持てるかどうかだと思う。

主体的にどう関わって、計画を立てて、実現していくかという能力が探究力だと思う。そこに専門性などいろんなものが加わって、研究力に上がっていくという考え方をしてもらいたい。

学生、院生、教職員が、R2030チャレンジ・デザインの推進を一緒になって行えるよう、私としても尽力していきたいと思っている。また、学友会、院協から発言があった課題をどう解決できるかについては、継続的に協議をさせていただきたい。