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本学院生・学部生が重要文化財「神護寺絵図」を手掛かりに「素光寺」跡を発見

本学文学研究科の大学院生と文学部の学部生で構成された研究グループである「京の山寺研究会」は、微地形を立体表現した「赤色立体図」を手掛かりに、鎌倉時代の神護寺領内を描いた「紙本墨書神護寺絵図」(神護寺絵図)に描写され、史料上でしか存在を確認できていなかった「素光寺(すこうじ)」を含む16地点の山寺跡を新たに発見した。

調査は昨年の4月から今年1月にかけて行われた。京都府の林業振興課が作成した、微地形を立体的に可視化する「赤色立体図」を分析し、山寺跡の可能性がある場所に実際に足を運び調査を行った。

今回の調査で発見された「素光寺」跡では多数の瓦が地表にて収集された。この瓦の中には赤色に変色したものも認められた。同会は赤色をしている理由として火災により変色した可能性があると分析しているが、研究者からは「製作当初から赤色だった可能性もある」との指摘もあり、見解は別れている。

素光寺跡にて収集された瓦=京の山寺研究会提供

また、素光寺跡で今回収集された瓦の多くは、他の山寺跡で収集された軒瓦と比べて、そのサイズが小さいことも大きな特徴である。同会はこうした特徴から、「これらの瓦はかつて素光寺境内に存在した塔などに利用された瓦であった可能性がある」と指摘している。

同会のメンバーは「今回の発見は平安京など全体の構造を明らかにしていく事の通過点に過ぎず、個別的な発見よりも、この成果をいかにして平安京•京都研究に還元していくかが重要である」と語り、「今後も京都盆地周辺の山寺遺跡調査を続けていくことで「山からみた平安京•京都」という新しい研究視覚を提起したい」と話した。

(山森)