<速報>立命館憲章改正 「戦争の痛苦」残る
学校法人立命館は27日、立命館憲章を改正した。学生ポータル「RITSUMEIKAN STUDENT PORTAL」や公式サイトなどで発表した。当初の改正案では削除されていた「戦争の痛苦」や「自主、民主、公正、公開、非暴力の原則」などといった文言は新憲章にも記載された。新憲章は4月1日から施行される。
憲章は、立命館の教育・研究活動の根幹にある理念や精神を明文化し、立命館に関わるすべての構成員が共有する価値観や行動指針を示すものとして、2006年に制定された。教学や経営において⼀貫性と方向性を確保する上で、重要な役割を担っている。
「戦争の痛苦」や「自主、民主、公正、公開、非暴力の原則」といった文言を不記載とする改正案に対しては、文学部自治会が学生大会で改正に反対する決議をしたほか、本学の学生・院生でつくる立命館憲章「改正」を考える有志の会が反対署名約1万7千筆を提出するなど、批判が相次いでいた。
批判を受けて理事会は改正案を修正。各キャンパスでの懇談会や意見集約を経て常任理事会にて最終案が確定された。理事会議決前の最終案の公開を巡っては、3日に行われた懇談会で公開に消極的な大学側に対し、山本聖学園振興委員長(文2)ら学友会や院生協議会連合会の関係者が反発し、議決前の公開を要求した。23日には改めて懇談会が開催され、出席者に対し最終案が公開されていた。
新憲章では、旧憲章の第2段落に含まれており、修正案では削除されていた「誠実に」という文言が加えられた。また、修正案では主語が「私たちは」とされていたが、意味を一貫させるため「立命館は」に変更された。
さらに、第4段落では、旧憲章にある「学問研究の自由」という歴史的重みを持つ表現を維持するため「立命館は学問研究の自由を礎として未来を切り拓く」という文言に変更された。
■新憲章の全文
立命館は西園寺公望を学祖とし、1900年、中川小十郎によって京都法政学校として創設された。「立命」の名は、『孟子』の「尽心章句」に由来し、「立命館」は「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」を意味する。立命館に集う私たちは、建学の精神である「自由と清新」を尊び、教学理念として「平和と民主主義」を掲げる。
立命館は第二次世界大戦の痛苦の体験を踏まえ、歴史を誠実に省みて戦争と暴力を否定し、民主的な学園運営の歩みを進め、平和の理想を希求し続ける。立命館は不断に国際化を追求し、私立総合学園として、大学院生、学生、生徒、児童および教職員の参画と、校友、保護者および学園にかかわるあらゆる方々による⽀援のもと、自由な挑戦と創造性をもって社会に貢献していく。
立命館は多様性を尊重する。私たちは、誰もが等しく有する尊厳を重んじ、ひとりひとりに宿る創発性を貴ぶ。そして地域社会に根ざしつつ広く学園内外と協働し、研究、教育、文化・芸術、スポーツなどの多様な活動を通じて、自己の成長と包摂的な社会の実現に努める。
立命館は学問研究の自由を礎として未来を切り拓く。私たちは、自主、民主、公正、公開、非暴力の原則を貫き、あまねく共有される新たな共生価値をもたらす知的創造に果敢に挑む。そして私たちは、「未来を信じ、未来に生きる」の精神を受け継ぎ、研究大学・探究学園におけるそれぞれの活動が未来の世界を生み出す営みであることを心に刻み、持続可能な社会の創造と世界の平和の実現に尽くす。
■旧憲章全文
立命館は、西園寺公望を学祖とし、1900年、中川小十郎によって京都法政学校として創設された。「立命」の名は、『孟子』の「尽心章句」に由来し、立命館は「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」を意味する。
立命館は、建学の精神を「自由と清新」とし、第2次世界大戦後、戦争の痛苦の体験を踏まえて、教学理念を「平和と民主主義」とした。
立命館は、時代と社会に真摯に向き合い、自主性を貫き、幾多の困難を乗り越えながら、広く内外の協力と支援を得て私立総合学園への道を歩んできた。
立命館は、アジア太平洋地域に位置する日本の学園として、歴史を誠実に見つめ、国際相互理解を通じた多文化共生の学園を確立する。
立命館は、教育・研究および文化・スポーツ活動を通じて信頼と連帯を育み、地域に根ざし、国際社会に開かれた学園づくりを進める。
立命館は、学園運営にあたって、私立の学園であることの特性を活かし、自主、民主、公正、公開、非暴力の原則を貫き、教職員と学生の参加、校友と父母の協力のもとに、社会連携を強め、学園の発展に努める。
立命館は、人類の未来を切り拓くために、学問研究の自由に基づき普遍的な価値の創造と人類的諸課題の解明に邁進する。その教育にあたっては、建学の精神と教学理念に基づき、「未来を信じ、未来に生きる」の精神をもって、確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努める。
立命館は、この憲章の本旨を踏まえ、教育・研究機関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する。
(星野、矢野)