[詳報]立命館憲章改正へ 「多様性の尊重」「次世代研究大学・次世代探究学園」盛り込む
学校法人立命館で「立命館憲章」=①=の改正に向けた検討が進んでいる。「立命館憲章」改正検討委員会は4月、「多様性の尊重」や「次世代研究大学・次世代探究学園」などを盛り込んだ改正案をmanaba(マナバ)+Rで公開。6月6日まで学内を対象に意見募集が実施され、現在は寄せられた意見を踏まえた議論が進んでいる。
①⽴命館憲章 立命館の教育・研究活動の根幹にある理念や精神を明文化し、立命館に関わるすべての構成員が共有する価値観や行動指針を示すもの。2006年に制定された。教学や経営において⼀貫性と方向性を確保する上で、重要な役割を担っている。
検討委が議決した答申によると、理事長と総長が憲章の一部改正の検討を発議し、2024年7月26日の理事会で検討委が設置された。学園を取り巻く情勢が変化する中、学園の到達点を踏まえて今後目指す学園の在り方を憲章に反映し、「今の立命が向かう方向性を明確に」社会に発信していく必要性があったという。
立命館憲章は衣笠キャンパスなどに掲示されている=6月検討委は、24年9月末から25年3月までに8度の全体会議と6度の幹事会を開いて審議してきた。検討委の高山茂・元委員長=副総長=は「いずれの会議においても、当初予定されていた時間をオーバーしてでも、出席した全ての委員に意見を求めた」と話している。
審議と並行し1月から2月にかけて▽本学学友会・院生協議会連合会の6人▽立命館アジア太平洋大(APU)の4人▽付属校(中学高校)の生徒40人――との懇談の場を設けた。また2月には、大学に関する外部有識者として、豪モナシュ大のジェレミー・ブレーデン准教授やリクルート進学総研の小林浩所長にヒアリングを行った。
高山・元委員長は、学園内での意見募集について「学園の全ての構成員に、ステークホルダーとして求めた。学生・生徒に対しても当然のことである」と発言している。
今回の変更の柱は、「多様性の尊重」と「次世代研究大学・次世代探究学園への新展開」に向けた決意だったと高山・元委員長。それぞれについては「多様化が表象してきている中で、さまざまな人たちの声も聞きながら、多様性をさらに大事にする」「学園として一体的な探究学習の高度化を目指し、転換を進める」と解説した。
検討委は、改正の要点の一つに「分かりやすい表現」を挙げている。「中学生でも解説があれば理解できる内容」を目指し、分量を減らし読みやすい文体にしたという。
改正案では、第3段落に「多様性の尊重」を、第4段落に「次世代研究大学・次世代探究学園に向けた決意」を盛り込んで再構成した。建学の精神「自由と清新」や教学理念「平和と民主主義」、「未来を信じ、未来に生きる」などの文言は、現行憲章から引き継いだ。
一方で「第2次世界大戦後、戦争の痛苦の体験を踏まえて」という文言は不記載とした。
検討委は「現行憲章の英語版では正確に翻訳されていない」などの意見を踏まえたと説明。同事務局は「より広く多様な立場からも理解できる未来志向の表現を追求した」「『平和』へのコミットメントを簡潔かつ力強く述べる形に再構成した」と解説している。
このほか、「私立の学園であることの特性を活かし、自主・民主・公正・公開・非暴力の原則を貫き」という文言も「中高生や留学生らに理解してもらうことは難しい」(検討委)として、分かりやすい表現の追求と構成の整理の観点から不記載にし、再構成された。
(小林)
https://ritsumeikanunivpress.com/07/04/18031/